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指数の仕組み

保育指数の計算方法を理解する

世田谷区の保育指数は何で決まるのか。基本指数・調整指数・優先利用の仕組みをわかりやすく説明します。

子育てと書類のイメージ

「結局、保育指数って何なのか」という疑問から

保育園の申込みを始めると、必ず目にするのが「保育指数」という言葉です。「共働きなら大丈夫」と聞いていたのに、説明会に参加したら思ったより複雑で戸惑ったという保護者の方は少なくないでしょう。

世田谷区では、保育の必要性を点数化して比較する仕組みが設けられています。希望する保育施設への申込みが定員を上回った場合、この「保育指数」をもとに選考が行われます。

ただし、保育指数は「働いているかどうか」だけで単純に決まるわけではありません。点数の作られ方には大きく3つの段階があります。まず土台となる「基本指数」、それを補正する「調整指数」、そして最終指数が同点だった場合の「優先利用の考え方」です。この3段階を順に見ていきましょう。

まず結論:保育指数は「基本指数+調整指数」で決まる

保育指数の計算は、シンプルに言えば次の式で表せます。

保育指数 = 基本指数 + 調整指数

「基本指数」とは、父母それぞれの就労・疾病・介護といった状況をもとに算出される土台の点数です。父親分と母親分をそれぞれ求めて合算します。「調整指数」は、家庭特有の事情、たとえばひとり親世帯であること、兄弟姉妹が在園中であることに応じて基本指数を上下させる補正です。

重要なのは「同じ共働きでも最終指数は同じとは限らない」という点です。勤務日数や時間、在宅か外勤かといった違い、さらに調整指数の有無で、同じ世帯構成でも結果が変わることがあります。

基本指数とは何か

基本指数は、保護者それぞれについて個別に算出し、合算した値が世帯の基本指数になります。1人あたりの上限は50点と定められています。父50点・母50点で合計100点が、一つの大きな基準線となります。

算定にあたって押さえておきたいルールが2つあります。

まず、通勤時間・通学時間は就労時間・就学時間に含まれません。実際に働いている時間だけが対象です。「通勤が長いから家を空ける時間が長い」という事情は、基本指数には反映されません。

次に、就労・就学時間の算定基準日は「入園月の1日時点」です。申込み時点の状況だけでなく、入園後の見通しも確認する必要があります。なお、休憩時間は就労時間に含めて計算します。

仕事とデスクのイメージ

基本指数で見られる主な項目

4-1 就労

最も多くの家庭が該当するのが就労です。外勤はもちろん、在宅勤務や自営業も対象となります。

点数は勤務日数・時間に応じて段階的に設定されています。最高点は週5日以上かつ週40時間以上で50点。そこから就労状況に応じて45・40・35・30・25・20点と下がり、月48時間以上の場合は15点となります。フルタイムの共働き世帯が高い指数になりやすいのはこの仕組みによるものですが、時間や日数の条件を正確に確認することが大切です。

就労状況指数
週5日以上・週40時間以上50
勤務条件に応じた段階評価45〜20
月48時間以上15

4-2 出産・疾病・障害

就労以外の状況でも基本指数は発生します。出産前後で保育が行えない場合は15点。疾病の場合は状況の深刻さによって異なり、入院1か月以上や常時病臥が必要な重いケースでは50点、通院加療を要する状態では20点といった形です。障害も程度に応じて50・30・20点に分かれています。「就労している人だけが高い指数を持てる」というイメージを持っている方もいますが、疾病や障害の状況によってはフルタイム就労と同等の点数になることもあります。

4-3 介護

三親等内の親族の介護をしている場合も対象です。重度障害者等の全介護にあたる場合は50点。就労と同様に50・45・40・35・30・25・20点と幅広い段階が設けられており、重い介護を担っている場合も相応の評価を受けることがあります。

4-4 災害・求職・就労内定・就学など

現在就労していなくても、基本指数がゼロになるとは限りません。災害復旧で保育が行えない場合は50点。就労内定や開業予定は実就労より低くなりますが30・25・20・15・10点のいずれかが付与される可能性があります。求職中は10点(期間制限あり)。就学や技能習得なども対象に含まれます。「今は働いていないからゼロだ」と決めつけずに、自分の状況がどの区分に当てはまるか確認してみてください。

家族で対話するイメージ

調整指数とは何か

基本指数が固まったところで加わるのが調整指数です。家庭ごとの特別な事情に応じて、基本指数をプラスまたはマイナス方向に補正します。同じ基本指数でも、調整指数によって最終的な保育指数に差がつくことは珍しくありません。

加点される主な例

特に加点が大きいのは、ひとり親世帯または保護者が不存在の場合の+20点です。育休を取得して一時退園した後に育休明けで再入園を希望する場合も+20点、認定こども園の1号認定から2号認定への切替えで同園継続を希望する場合や年齢上限のある園の最終クラス卒園後の継続申込みも+20点となります。申込児が障害を有し、通所や通院で就労が制限されている場合は+15点。生活保護世帯は+10点。認可外保育施設や幼稚園の預かり保育を月96時間以上有償利用している場合は+6点(月48時間以上96時間未満は+5点)。申込児の産休明け・育休明け予定は+5点。兄弟姉妹が在園中・同時申込み中の場合は+5点(多胎児は+6点)となっています。そのほか単身赴任(会社命令)は+3点、幼稚園在園中の+1点なども設けられています。

減点される例

加点だけでなく、減点が適用されるケースもあります。申込児以外の子について産休中でそのまま続けて育休を取得する予定の場合は-5点。区外在住で勤務地のみ区内の場合は-10点。兄弟姉妹の保育料・延長保育料を正当な理由なく3か月以上滞納している場合は-20点となります。

注意:加点には重複しないルールや条件がある

調整指数の加点には、重複して適用されないものがあります。たとえば産休明け・育休明け予定(+5)と育休明け再入園(+20)は重複して適用されません。また単身赴任加点は会社命令であることが必要で、認可外加点や兄弟加点には対象施設に条件があります。「表を見て自分で足し算したつもりでも、そのまま適用されるとは限らない」という点は意識しておく必要があります。

同点ならどうなる?優先利用の考え方

最終的な保育指数が同点だった場合、それで完全に横並びになるわけではありません。世田谷区では、同点の場合にさらに優先順を定めた「優先利用」の仕組みがあります。優先利用では、世帯の状況や所得、認可外保育の利用状況などを踏まえた順番が設けられていますが、詳細は毎年の案内資料で確認することをおすすめします。

よくある誤解

以下の点は誤解されやすいので、整理しておきます。「共働きフルタイムなら自動的に決まる」わけではありません。「100点なら安心」でもありません。また、区は選考前に各家庭の指数を案内していません。自分の指数が何点かを事前に把握することは難しく、選考結果を受けてはじめてわかることが多い状況です。だからこそ、制度の構造を理解したうえで、必要書類を正確に準備することが、申込みにおいて最も大切な備えと言えます。

まとめ

保育指数は、保護者それぞれの状況で決まる基本指数と、家庭事情で上下する調整指数から構成されています。さらに同点時には優先利用の順番があります。「ただ働いていれば大丈夫」ではなく、家庭全体の事情が多角的に評価される制度です。実際に申込みをする際は、世田谷区が毎年発行する最新版の案内資料を必ずご確認ください。

※制度は変更される可能性があるため、最新の案内をご確認ください。